静岡県中小企業必見!2025年「ものづくり補助金」制度を徹底解説

「静岡県内で設備投資や新商品開発を考えているが、ものづくり補助金の概要がよく分からない」
「制度が複雑で自社が対象になるのか判断できない」
「申請の流れやスケジュール、採択されるためのポイントを知りたい」

こんなことでお悩みではありませんか。

ものづくり補助金は、中小企業の設備投資や新事業の立ち上げを強力に後押ししてくれる一方で、「仕組みが分かりづらい」「何から手を付ければいいかイメージできない」と感じる方も少なくありません。

この記事では、静岡県の中小企業経営者向けに、2025年に活用できるものづくり補助金について、できるだけ専門用語を避けながら整理して解説します。

初めて補助金申請にチャレンジする方でも、読み進めるうちに「自社が取るべき次の一手」がイメージできる状態を目指して構成しました。静岡県での設備投資や新規事業を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

2025年度のものづくり補助金の申請はお急ぎください

2025年度のものづくり補助金の最終締め切りは2026年1月30日です。申請には1~2か月の準備期間が必要なケースが多いため、検討中の企業は早めに動かれることをお勧めいたします。静岡補助金申請相談センターでは、ものづくり補助金を検討中の企業様へ無料相談を受付中です。お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

海野 覚のアバター 海野 覚 中小企業診断士

静岡市出身。地元地方銀行に18年間勤務、数多くの補助金申請や制度融資を手掛ける。シンクタンクや厚生労働省への出向中、経済アナリストとして活躍。銀行退職後、税理士事務所で補助金申請や経営改善計画の策定に従事。2024年独立、経営改善を中心に中小企業の支援を行う。

目次

ものづくり補助金とは何か(制度の目的と概要)

本補助金では、革新的な新製品・新サービスの開発が必須条件になります。主な対象は次のような取り組みになります。

  • 自社の技術やノウハウを活かした新製品の開発
  • 既存事業と異なる新サービスメニューの開発
  • 新製品・新サービスの提供に必要な新しい生産プロセスやシステムの構築

単に既存製品の生産効率を高めたり、業務を省力化したりするだけの設備投資は、ものづくり補助金の対象外になります。こうした省力化・効率化の投資は、別制度である「省力化投資補助金」での支援が想定されます。

製造業だけでなく、商業やサービス業など幅広い業種が対象になります。革新的な新製品・新サービスの開発を通じた事業であれば、静岡県内の企業でも十分に活用を検討できます。

この補助金の大きな特徴は、数百万円から最大数千万円規模の資金援助を受けられる点にあります。さらに、補助金は融資と異なり返済不要です。資金繰りに余裕がない企業でも、リスクを抑えながら思い切った設備投資に挑戦できる点が大きなメリットです。

国としては、この制度を通じて主に次のような目的を後押ししています。

  • 革新的な製品やサービスの開発を促進して、新しい市場や付加価値を生み出すこと
  • 設備投資やビジネスモデルの高度化を通じて、中小企業の経営基盤を強化すること

静岡県内でも多くの企業が、この補助金を活用して新規事業に取り組んでいます。応募数も年々増加しており、「採択されれば大きな追い風になる一方で、審査は決して甘くない補助金」といえます。

ものづくり補助金の申請から採択後まで一貫対応します

静岡補助金申請相談センターでは、採択後の交付申請や実績報告といった煩雑な事務作業まで一貫してサポートします。お気軽にお問い合わせください。

2025年ものづくり補助金の公募スケジュール

ものづくり補助金は、全国一律の制度です。静岡県内企業も全国の企業と同じスケジュールで公募・審査が行われます。

令和7年度(2025年度)のものづくり補助金は年間複数回の公募が行われています。以下に2025年実施の公募スケジュールをまとめます。計画的に準備を進めるためにも、締切日程を把握しておきましょう。

スクロールできます
公募回(令和7年度)申請受付開始申請締切採択発表
第19次公募(終了)2025年4月11日2025年4月25日 17:002025年7月28日
第20次公募(終了)2025年7月1日2025年7月25日 17:002025年10月27日
第21次公募(終了)2025年10月3日2025年10月24日 17:002026年1月下旬(予定)
第22次公募2025年12月26日2026年1月30日 17:002026年4月下旬(予定)

第22次公募(2025年度最後の公募)は2025年末から年明けにかけて募集が行われており、電子申請の受付は2025年12月26日から開始、締切は2026年1月30日17時です。採択結果は2026年4月頃に発表予定とされています。公募開始から締切までは準備期間も含め数ヶ月程度しかないため、早めの準備・申請が肝心です。特に締切直前は申請が集中し、電子申請システム(jGrants)の処理が滞る可能性があるため、余裕を持って提出しましょう。

なお、ものづくり補助金は令和8年度以降も継続実施が予定されており、年間およそ3~4回の公募が行われる見込みです。今後の公募日程については公式サイト等で最新情報を確認してください。

2025年度のものづくり補助金の申請はお急ぎください

2025年度のものづくり補助金の最終締め切りは2026年1月30日です。申請には1~2か月の準備期間が必要なケースが多いため、検討中の企業は早めに動かれることをお勧めいたします。静岡補助金申請相談センターでは、ものづくり補助金を検討中の企業様へ無料相談を受付中です。お気軽にお問い合わせください。

電子申請とGビズIDの準備

ものづくり補助金の申請は電子申請システム(jGrants)から行います。そのためには、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。

  • GビズIDの取得には数週間程度かかる場合があります。
  • 公募が始まってから申請しても間に合わない恐れがあります。

「ものづくり補助金にチャレンジする可能性が少しでもある」と感じた段階で、早めにGビズIDの取得手続きを進めることを強くおすすめします。

静岡県内の説明会や相談窓口

公募開始のタイミングで、静岡県中小企業団体中央会(静岡県ものづくり支援センター)などが説明会や相談窓口を設ける場合があります。一方で、公的な支援のみでは、サポートが手薄であるため、地元の支援機関も積極的に活用すると準備がスムーズになります。

ものづくり補助金の申請から採択後まで一貫対応します

静岡補助金申請相談センターでは、採択後の交付申請や実績報告といった煩雑な事務作業まで一貫してサポートします。お気軽にお問い合わせください。

補助対象となる事業と経費(静岡県企業での活用イメージ)

ものづくり補助金で支援対象となるのは、革新的な新製品・新サービスの開発および、その開発・提供に必要な生産プロセスの高度化です。

静岡県内で想定される事例としては、次のようなものがあります。

  • 地場産品を活用した新しい加工商品の開発と、そのための加工ライン新設
  • 観光客向けの新サービスメニューを立ち上げるための予約システムやアプリ導入
  • 自社工場の自動化ライン構築や、検査工程のAI・画像検査装置導入

いずれの場合も、「単なる設備更新」ではなく「新製品・新サービス」といった点が関わることが重要になります。

補助対象経費の主な例

公募要領では補助対象経費が細かく定義されていますが、代表的なものは次のような項目です。

経費区分内容
機械装置・システム構築費生産設備、加工機械、試作機、ICTシステム等の導入費用を対象にする費目です。条件を満たす場合は中古設備も補助対象になります。
技術導入費新技術を導入する際に必要となる研修費や技術指導のための費用です。
専門家経費外部の専門家へ依頼する指導・助言、コンサルティングに関する費用です。
運搬費設備や原材料などを運搬するために発生する費用です。
クラウドサービス利用費補助事業期間中に利用するクラウド型ソフトウェアの使用料が対象になります。
原材料費試作に必要となる原材料の購入費用です。
外注費加工、設計、試験など、補助事業の一部を外部へ委託する際に発生する費用です。
知的財産権等関連経費特許や商標など、知的財産の取得に必要となる費用が対象となります。

一方で、工場や建物の新築費用、建物付帯工事の多く、自動車の購入費などは対象外です。汎用性が高く、事業との直接関係が薄いと判断されるパソコンやスマートフォンも認められない場合があります。

申請前に「どの費用が補助対象か」「対象外の費用は何か」をきちんと仕分けし、対象外経費は自己資金で対応する計画として整理しておく必要があります。

国の補助金と静岡独自制度の組み合わせ方

静岡県内には、国のものづくり補助金とは別に、県や市が独自に実施している補助制度も多数あります。

たとえば静岡市では、「新製品開発・販路開拓に対する助成(ものづくり産業の持続的な発展に向けた競争力強化事業補助金)」という制度があります。以下のような取り組みに対して、補助率2分の1、合計上限50万円(海外展示会出展を含む場合は60万円)まで助成を受けられます。

  • 新製品等開発事業
  • 大規模展示会出展等事業
  • 効果促進事業(広告物作成や市場調査など)

同じ経費を二重に補助してもらうことはできませんが、以下のように費目を分けて組み合わせることが可能なケースもあります。

  • 機械本体の導入費用は国のものづくり補助金
  • 展示会出展経費や販路開拓の一部は静岡市の助成

静岡市内の製造業の方は、国のものづくり補助金とあわせて、こうした市独自の制度も調べておくと、総合的な資金計画が立てやすくなります。

ものづくり補助金の申請から採択後まで一貫対応します

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申請できる企業と主な申請条件

次に、「どのような企業が申請できるのか」「どのような要件を満たさなければならないのか」を整理します。

補助対象となる企業(応募資格)

対象となるのは、中小企業基本法における中小企業・小規模事業者および個人事業主です。

おおまかな規模感としては、次のような基準が目安になります。

業種応募資格
製造業資本金3億円以下または従業員数300人以下
卸売業資本金1億円以下または従業員数100人以下
小売業・サービス業資本金5千万円以下または従業員数50人以下


静岡県内でこれらの基準を満たす企業や個人事業主であれば、原則として申請対象になります。

NPO法人のうち、一定の条件を満たす場合には補助対象となるケースがあります。一方で、一般社団法人や一般財団法人、医療法人、法人格のない任意団体などは補助対象外として扱われます。

注意点として、従業員数ゼロ(代表者一人のみ)の事業者は申請できません。最低でも一人以上の従業員や役員がいることが前提となります。

事業計画に求められる基本要件

中小企業であれば誰でも申請できるわけではなく、事業計画上、次のような「基本要件」を満たす必要があります。

基本要件詳細
付加価値額を年平均3%以上増加させること付加価値額は「営業利益+人件費+減価償却費」です。事業計画期間(3〜5年)を通じて、年平均3%以上の増加を目標とします。
給与支給総額を年平均2%以上増やすこと従業員および役員に支払う給与の合計額を、計画期間中、年平均2%以上増加させる必要があります。
事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くすること静岡県内の地域別最低賃金に対して、自社の最も低い時給を+30円以上の水準に引き上げる必要があります。
従業員数21名以上の企業は「一般事業主行動計画」の策定と公表仕事と家庭の両立支援に関する行動計画を策定し、社内外に公表することが求められます。

いずれも申請書に数値目標として記載し、補助事業終了後もフォローアップ調査で達成状況を報告する義務があります。達成できなかった場合には、補助金の一部返還を求められる可能性もあるため、自社の状況に合わせて「達成可能な計画」を立てることが重要です。

静岡ならではの加点要素

静岡県には「オープンイノベーション静岡」など、企業データベースや連携プラットフォームがあります。こうした仕組みに登録している企業は、国や県の補助金審査で加点対象となる場合があります。

  • 登録自体は必須ではありません。
  • ただし、中長期的に補助金活用を考えるなら、事前登録しておくことで審査上プラスに働く可能性があります。

静岡県内の中小企業は、こうした「地域発の加点要素」も早めにチェックしておくと有利になります。

その他の応募要件と注意点

上記の基本要件に加え、公募要領ではさらに細かな応募資格や注意事項が定められています。代表的なものは次の通りです。

  • 反社会的勢力との関係がないこと
  • 補助金の不正受給や目的外使用の前歴がないこと
  • 労働法規や環境関連法規など、関係法令を遵守していること
  • 同一内容で他の補助金との重複申請を行わないこと
  • 過去にものづくり補助金を受給している場合には、一定の減点を受ける場合があること

まとめると、ものづくり補助金は「革新的な新製品・新サービスの開発に取り組む中小企業」であることを前提に、事業の成果として「付加価値の向上」や「賃上げ」に取り組む計画と実行が求められる制度として理解すると分かりやすくなります。

ものづくり補助金の申請から採択後まで一貫対応します

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補助金額と補助率

補助金でもらえる金額は、「補助率」と「補助上限額」で決まります。

  • 補助率:対象経費の何割を補助してもらえるかを示す割合です。残りは自己負担になります。
  • 補助上限額:補助金として受け取れる金額の上限です。

事業内容や企業規模に応じていくつかの申請枠が用意されており、それぞれ補助率や上限額が異なります。

主な申請枠のイメージ

現在のものづくり補助金(22次公募以降)では、次の2つの申請枠が用意されています。

1 製品・サービス高付加価値化枠

革新的な新製品・新サービスの開発を行う事業者向けの標準的な枠です。
補助率は中小企業が2分の1、小規模事業者等が3分の2で、従業員数に応じて750万円〜2,500万円の上限が設定されています。

2 グローバル枠

海外展開や海外市場向けの新製品・新サービス開発を行う事業者向けの枠です。
補助率は高付加価値化枠と同様で、補助上限額は一律3,000万円です。

省力化投資補助金との関係

以前のものづくり補助金には、省力化投資を対象とする枠が存在しましたが、現在は「中小企業省力化投資補助金」として別制度に分かれています。
既存業務の省力化や自動化が主目的の投資を検討している場合には、ものづくり補助金ではなく省力化投資補助金の活用を検討する必要があります。

補助率と自己負担のイメージ

補助率2分の1の場合、対象経費の半額が補助、残り半額が自己負担です。


設備投資額が1,200万円の場合

  • 補助金 600万円
  • 自己負担 600万円

補助率3分の2の場合

  • 補助金 800万円
  • 自己負担 400万円

なお、補助金は後払い方式です。いったん全額を自社で支出し、事業完了後に実績報告と検査を経て補助金が振り込まれます。そのため、自己負担分だけでなく、一時的に全体を立て替える資金力や金融機関との連携も重要になります。

ものづくり補助金の申請から採択後まで一貫対応します

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採択されやすくするためのポイント

ものづくり補助金は人気が高く、採択率はおおむね30〜40%前後といわれています。

採択されるためには、次のような観点を意識して事業計画書を作成することが重要になります。

1 事業計画の革新性と妥当性を明確に示す

審査でまず見られるのは、「事業内容そのものが魅力的かどうか」です。

  • 自社の課題が明確に整理されているか
  • その課題を解決するための手段として設備投資が位置付けられているか
  • 投資によってどのような成果が期待できるか

このストーリーが論理的で分かりやすいほど、評価は高くなります。

また、「どこが新しいのか」「どんな競争優位が生まれるのか」といった革新性の部分も明確に伝える必要があります。ただの設備更新で終わらず、新たな付加価値やビジネスモデルの変化につながる計画であることを示すと説得力が高まります。

数値目標も重要です。以下の点を、できる限り具体的な数字で示すと、審査側も判断しやすくなります。

  • 不良率を何パーセント削減できる見込みか
  • 生産能力がどの程度向上するのか
  • 売上や付加価値額がどれくらい増える見込みか

2 補助金の趣旨や国の政策と合致させる

公募要領には審査項目が列挙されており、その中には政策的な重点も反映されています。

  • 賃上げの取り組み
  • デジタル化や省エネなどの推進
  • 地域経済・雇用への波及効果

などを計画の中に織り込むことで、制度趣旨に合致した計画であることをアピールできます。

静岡県は製造業が盛んな地域であり、環境負荷低減やスマート工場化への取り組みは、地域全体の競争力強化にもつながります。このような観点を計画書に織り込むと、審査上もプラスに働きやすくなります。

3 加点項目を積極的に活用する

ものづくり補助金には、一定の条件を満たすと加点される項目が用意されている回もあります。代表的なものは次の通りです。

  • 経営革新計画の承認を受けている
  • 地域未来牽引企業など、国や自治体の選定を受けていること
  • 事業継続力強化計画の認定を受けていること

こういった認定は取得までに時間がかかるため、ものづくり補助金に限らず中長期的な経営戦略の一環として早めに取り組んでおくと有利になります。

4 減点リスクを避ける

逆に減点要素となるのは、次のようなケースです。

  • 過去に補助金の不適正な使用があった場合
  • 過去数年以内に同じ補助金を複数回受給している場合
  • 書類不備や提出遅れが目立つ場合

特に書類不備やギリギリの提出は、内容以前の問題で評価を落としかねません。チェックリストを用意し、社内でダブルチェックする体制を整えておくことが大切です。

ものづくり補助金の申請から採択後まで一貫対応します

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申請から受給までの流れ

ここからは、申請準備から補助金の受給までの流れを時系列で整理します。初めて申請する方は、全体像をつかむためのチェックリストとして活用してください。

1 事前準備と情報収集(公募前)

  • 自社の課題とニーズの整理
  • どのような設備やシステムを導入したいかの検討
  • 概算予算のイメージ作り
  • 過去の公募要領や採択事例の確認
  • GビズIDプライムの取得
  • 商工会・商工会議所・よろず支援拠点などへの相談

2 公募開始から申請締切まで

  • 最新の公募要領の入手と熟読
  • 事業計画書の作成
  • 見積書の取得(原則複数社から相見積もり)
  • 決算書や従業員数証明など添付書類の準備
  • 電子申請システムへの入力と書類アップロード
  • 余裕を持った申請送信(締切日前日までには完了させるイメージ)

3 審査と採択結果の発表

  • 書類審査(通常ヒアリングはなし)
  • 採択結果の公表と通知
  • 不採択の場合の次回以降の再チャレンジ検討

4 採択後の交付申請と交付決定

  • 採択後、改めて交付申請書類を作成
  • 経費内訳の精査と事務局との調整
  • 交付決定通知の受領

ここで特に重要なのは、交付決定前に設備の契約・発注・支払いを行わないことです。交付決定前の支出は補助対象にならないため、大きな損失につながるおそれがあります。

5 補助事業の実施

  • 設備の発注・納入・据付
  • 試運転や導入後の運用準備
  • 研修の実施や新体制の整備
  • 経費支出と証拠書類(見積書、契約書、請求書、領収書、振込明細など)の整理と保存

事業期間内にすべての作業と支払いを完了させる必要があります。納期遅延やトラブルが発生した場合は、早めに事務局へ相談し、必要に応じて期間延長の手続きなどを検討します。

6 実績報告と検査

  • 実績報告書の作成と提出
  • 計画と実績の比較、成果の整理
  • 経費明細と証拠書類一式の提出
  • 事務局による検査と確認

ここで問題がなければ、補助対象経費が確定し、最終的な補助金額も決まります。

7 補助金の受け取り

  • 補助金の振込
  • 会計上は雑収入等として計上し、税務申告で適切に処理

8 事業化状況報告(フォローアップ)

補助事業完了後も、数年間にわたり毎年度「事業化状況報告書」を提出します。

  • 売上や付加価値額の推移
  • 賃上げの達成状況
  • 投資による影響や事業の進捗 など

上記を報告し、事業計画で約束した基本要件の達成状況を確認されます。ここで未達が続くと、補助金の一部返還を求められることもあるため、補助事業が終わった後も継続的な経営改善が求められます。

2025年度のものづくり補助金の申請はお急ぎください

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静岡県内企業の活用イメージ

ここでは、静岡県内や類似地域の採択例に見られる共通パターンを簡単に整理します。

業種採択例
製造業AI画像検査装置や自動化ライン導入により、検査工程の省人化と品質安定を同時に達成したケース。人手不足の解消と不良率低減の両方を数値で示し、採択につながった例が多く見られます。
農業法人ハウス栽培で環境制御システムを導入し、高付加価値の農産物を安定生産する事例。従来勘に頼っていた栽培からデータに基づく管理に切り替えることで、品質と収量の向上を実現したケースです。
小売・サービス業新サービスの立ち上げに伴い必要となる予約システム・アプリ開発。単なる効率化ではなく、新サービスに伴うシステム導入は採択されるケースがみられます。

いずれの事例にも共通するのは、以下の点です。

  • 自社の課題を客観的に分析していること
  • 設備投資によって課題がどのように解決されるかを具体的に示していること
  • 投資後の効果を数字で説明していること

静岡県中小企業団体中央会や自治体が公開している事例集も参考になりますので、自社と似た規模や業種の事例を研究しておくと計画づくりのヒントになります。

よくある失敗例と注意点

最後に、申請から事業実施までの各段階でありがちな失敗パターンをまとめておきます。

申請段階での失敗例

申請段階での失敗例詳細
締切に間に合わない準備不足のまま時間切れになり、申請を断念してしまうケースです。GビズIDの取得遅れや見積書の未準備など、基本的なところでつまずく例が少なくありません。
申請要件の見落とし従業員数に応じた要件や、一般事業主行動計画の必要性などに気づかず、応募資格を満たさないまま申請してしまうケースです。
事業計画の詰め不足計画書の内容が抽象的で、なぜその設備が必要なのか、どれくらい効果があるのかが伝わらない状態になっている例です。
経費計上の誤り補助対象外の経費を含めて申請してしまい、後から減額される、あるいは差し戻されるケースです。
他社の計画のほぼコピー公開されている事例をそのままなぞったような計画は、独自性に乏しく評価が伸びにくくなります。

事業実施段階での失敗例

事業実施段階での失敗例詳細
交付決定前の発注交付決定前に設備を注文してしまい、補助対象外になってしまうケースです。
事業期間の遅延納期遅れや工事の遅れにより、完了期限を超えてしまうケースです。早期に事務局へ相談し、必要に応じて期間延長を申請する必要があります。
証拠書類の紛失や不足領収書や振込明細をきちんと残しておらず、実績報告で苦労するパターンです。
コンプライアンス違反労働法規や環境法令に抵触するような問題が発覚すると、補助金の返還や事業中止につながる可能性があります。
賃上げ要件未達による返還補助事業完了後のフォロー期間で、計画していた賃上げを達成できず、補助金の一部返還を求められるケースです。

これらの失敗を防ぐために一番大切なのは、「公募要領の読み込み」と「余裕のあるスケジュール管理」です。多くの企業が同じところでつまずきやすいため、本記事の内容をチェックリスト代わりに活用していただくと安心です。

まとめと静岡での相談先

静岡県の中小企業にとって、2025年のものづくり補助金は、設備投資や新規事業に取り組むための大きなチャンスです。同時に、以下のようなハードルも存在します。

  • 賃上げを約束する責任
  • 長期間にわたる報告義務

しかし、制度の概要や条件、スケジュールを正しく理解し、自社の強みと課題を踏まえた計画をしっかりと作り込めば、採択の扉は十分に開けると考えられます。

採択後も、手続きを確実に進めることで、数百万〜数千万円規模の返済不要資金を獲得し、設備投資や新事業の推進に充てることができます。

静岡県での補助金申請に関するご相談やサポートのご要望がありましたら、静岡補助金申請相談センターまでお気軽にお問い合わせください。補助金の専門家として、貴社の計画策定から申請手続き、採択後のフォローまでを一貫してサポートし、静岡発の中小企業から新たな価値が生まれることを全力で支援いたします。

2025年度のものづくり補助金の申請はお急ぎください

2025年度のものづくり補助金の最終締め切りは2026年1月30日です。申請には1~2か月の準備期間が必要なケースが多いため、検討中の企業は早めに動かれることをお勧めいたします。静岡補助金申請相談センターでは、ものづくり補助金を検討中の企業様へ無料相談を受付中です。お気軽にお問い合わせください。

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海野 覚のアバター 海野 覚 中小企業診断士

静岡市出身。地元地方銀行に18年間勤務、数多くの補助金申請や制度融資を手掛ける。シンクタンクや厚生労働省への出向中、経済アナリストとして活躍。銀行退職後、税理士事務所で補助金申請や経営改善計画の策定に従事。2024年独立、経営改善を中心に中小企業の支援を行う。

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